一部ではアーロンチェアは疲れるからやめておいたほうがいい、という論争がおきています。
多くの人が疲れ知らずのデスクワークライフを手に入れているにも関わらず、なぜでしょうか?
その原因は次の3つで説明できます。
- 正しい姿勢で座れていない
- サイズを間違っている
- モデル選びに失敗している
アーロンチェアも万能ではありません。
性能をフルで発揮させるには、いくつか気をつけるべき点があるのも事実です。
ここではアーロンチェアで疲れる人の特徴と、その解決方法について詳しく解説していきます。
座り方や選び方など、少し知識があるだけでアーロンチェアをより快適に利用できるようになりますよ。
アーロンチェアは背中を付けない座り方だと腰が疲れやすい
アーロンチェアは正しい座り方で利用すれば、疲労の蓄積を低減してくれる最高のガジェットです。
しかし、いくら高性能なアーロンチェアであっても疲れてしまう座り方も存在します。
それは、背もたれに体重を預けない座り方です。
【画像】
普段から背もたれに肩がついていない座り方をしていませんか?
これは脊柱の正常な弯曲を保つ脊柱起立筋が常に緊張状態となり、腰に疲労が溜まりやすい座り方です。
こういった座り方を主とする人がアーロンチェア購入するメリットはありません。
おそらく1時間もすれば、腰のあたりが痛くなってきて苦痛を感じることでしょう。
アーロンチェアでは背もたれに体重を預けて座ることで、脊柱の正常な弯曲を保ち疲労を低減します。
なのでアーロンチェアで腰が疲れないか心配な人は、背中に体重を預ける座り方を意識すれば問題ありませんよ。
強い後傾姿勢で座る人は首が疲れやすい
逆に強い後傾姿勢で座ると、首が疲れる原因となることも。
【画像】
背もたれを最大まで倒した状態で、低い位置のモニターなどを見続けると首に疲労を感じやすくなります。
首の角度が急すぎると、僧帽筋に負担がかかり肩こりの原因にもつながるのです。
対策として社外品のヘッドレストがよく紹介されていますが、これはおすすめしません。
首が大きく前傾している姿勢は人体にとって不自然な状態だからです。
ハーマンミラー社がアーロンチェアへ頑なに純正ヘッドレストを用意しない理由はこのため。
アーロンチェアで首が疲れる人は、首の角度が自然な位置になるようチェアを調整するだけで解決しますよ。
後傾姿勢で座りたい人はエンボディチェア
寝そべるような姿勢で楽に座りたい人には、エンボディチェアがおすすめ。
エンボディチェアはパソコンで作業する人に向けて開発された、後傾姿勢に特化したチェアです。
パソコン作業やゲームをメインにする人にとって、最高のチェアになること受け合いです。
アーロンチェアとの比較など詳しいレビューは、エンボディチェアのレビューページをご覧ください。
【番外編】あぐらを組む座り方とは相性最悪
アーロンチェアで最も疲れる座り方はあぐらです。
あぐらを組む座り方だと…
- 骨盤が前傾してしまい腰がすぐに痛くなる
- アーロンチェアのフレームに脚が当たって痛い
というように、アーロンチェアの強みをすべて無視することになります。
特に硬い外側のフレームへ脚が当たるとかなり痛いので、座っていられないレベル。
姿勢を崩してリラックスしたい人は、アーロンチェアよりもソファーを選ぶべきでしょう。
アーロンチェアはワークチェアとして開発されており、リラックスするためのチェアではありません。ここを勘違いして購入すると後悔しますよ。
アーロンチェアのサイズが合っていない
座り方の次に疲れやすさに影響するのがサイズです。
アーロンチェアには『A,B,C』といった3つのサイズが展開されています。
サイズ選びを間違うと、せっかくのアーロンチェアが違和感だらけの疲れる椅子になるかもしれません。
ここではサイズの選び方について、公式の選定方法と私の経験を元に解説していきます。
ハーマンミラー公式によるサイズの選び方
上記の適合表はアーロンチェアの正規代理店である庄文堂ネクストから拝借しました。
この表は体格の大きい外国人向けに作られたもので、日本人の私達にはわかりにくいかもしれません。
そこで表をもとに、日本人向けの適応リストを下記にまとめました。
身長 | 体重 | 適応サイズ |
---|---|---|
160cm未満 | 57kg未満 | Aサイズ |
57kg以上〜70kg未満 | AサイズまたはBサイズ | |
70kg以上 | Bサイズ | |
165cm | 70kg未満 | AサイズまたはBサイズ |
70kg以上〜90kg未満 | Bサイズ | |
90kg以上 | BサイズまたはCサイズ | |
170cm | 70kg未満 | AサイズまたはBサイズ |
70kg以上〜90kg未満 | Bサイズ | |
90kg以上 | BサイズまたはCサイズ | |
175cm | 70kg未満 | AサイズまたはBサイズ |
70kg以上〜90kg未満 | Bサイズ | |
90kg以上 | BサイズまたはCサイズ | |
180cm | 70kg以上〜90kg未満 | Bサイズ |
90kg以上〜115kg未満 | BサイズまたはCサイズ | |
115kg以上 | Cサイズ | |
185cm以上 | 75kg未満 | Bサイズ |
75kg以上〜125kg未満 | BサイズまたはCサイズ | |
125kg以上 | Cサイズ |
標準的な体格の人が上記の表を基準にすれば、サイズ選びで失敗することはありません。
2サイズに該当するときはどちらを選ぶべき?
サイズ適合表の一部には、2つのサイズに該当する場合があります。
その場合、どちらを選ぶのが正しいのでしょうか?
答えは小さめのサイズです。
アーロンチェアにおいて大切なのはフィット感。
すこし窮屈かな?と感じるくらいが、快適な姿勢維持に貢献します。
慣れるまでに時間が必要ですが、慣れてしまえば快適に過ごせるようになります。
実際、身長170cmの管理人にとってBサイズのアーロンチェアは合っていませんでした。
日々感じる違和感についてエルゴノミックアドバイザーへ質問したところ、サイズ選定ミスが発覚。
サイズ選びのコツを聞き、試座をした結果、Aサイズが適切であることが判明したのです。
だからこそ2つのサイズに該当する際は、フィット感の高い小さい方を選びましょう。
サイズ選びについてコツや経験談を詳しく知りたい人はサイズ選びのコツをご覧ください。
アーロンチェアのグレードが合っていない
アーロンチェアには大きく分けて3つのグレードが存在します。
- ライト(高さ調整無またはアームレスト無)
- フル装備(ビニール)
- フル装備(牛革)
それぞれの違いは肘掛けの有無と、パッドの材質です。
ライトモデルは安いが調整機能がなく体に合わせづらい
ライトモデルは、アーロンチェアの機能をいくつかカットした廉価モデルです。
アームレストがあるモデルとないモデルの2つが販売されています。
どちらも、
- アームレストの高さ調整機能
- 仙骨部のポスチャーフィット
- 前傾チルト機能
といった機能はありません。
機能が少なく調整しろ少ないため、自身の理想とする座り方に合わせにくいのが特徴。
そのため、ライトモデルはアーロンチェアを理解している人が2脚目として選ぶものと考えるのが妥当です。
あとは普段からアームレストを使わない座り方が好きな人向けでもあります。
価格が控えめなので、安さにつられて購入する人があとを絶ちません。
結果、調整機能の少なさに後悔することが多いため、玄人向けのモデルだと言えます。
ビニールタイプのパッドは肘が痛くなる可能性あり
アーロンチェアのアームレストに付属するパッドには、
- ビニルタイプ
- 本牛革タイプ
の2種類が存在します。
大まかな違いは、肌触りと弾力(硬さ)です。
肌触りにおいては本牛革の圧勝。なめらかな触れ心地で柔らかさを併せ持つ点が特徴。
ビニルタイプだと反発力が高く、硬めのゴムの上に肘を置いているような感覚です。
その硬さ故に、時間が経つと肘の関節あたりの骨がパッドに当たって痛くなってきます。
痩せ型〜普通体型の人にとって、ビニルタイプは硬すぎるのかもしれません。
そのため、多くの人にとって柔らかめの牛本革タイプがベストでしょう。
ビニルタイプよりもかなりソフトで、脂肪が少ない人でも骨が当たる部分に負担がかかりにくくなっています。
メリットの多い本牛革タイプですが、難点は価格が高いこと。
サンプル画像 | 特徴 | 価格 |
---|---|---|
グラファイトカラー 【DC1キャスター】 【ポリッシュドアルミベース】 【レザー(牛本皮)】 | 320,100円 | |
カーボンカラー 【DC1キャスター】 【ポリッシュドアルミベース】 【レザー(牛本皮)】 | 328,900円 | |
オニキスカラー 【ポリッシュドアルミベース】 【レザー(牛本皮)】 | 332,200円 | |
ミネラルカラー 【DC1キャスター】 【ポリッシュドアルミベース】 【レザー(牛本皮)】 | 339,900円 |
一番安いモデルでも30万円を超えるので、なかなか手を出しにくいのが現状です。
よくある質問に、
「ビニルタイプが合わなければ、あとで牛革タイプへ交換すればいいのでは?」
とありますが、ハーマンミラーが部品を販売してくれないので不可能です。
なので、過去に肘置きで肘の痛みを経験したことのある人は牛本皮のパッドを選びましょう。
肘の痛みは結構なストレスになります。価格は高いですが牛本皮は選ぶだけの価値があると感じています。
正しいサイズのアーロンチェアで正しい座り方をすれば疲れにくい!
アーロンチェアで疲れないための方法は次の3つ。
- 骨盤を前傾させ背中に体重を預ける
- フィット感が高い適正サイズのチェアを選択する
- 用途に応じて肘掛けの有無、材質を変える
姿勢を変えれば疲れない
アーロンチェアでも疲れやすい人は、まず着座姿勢を見直しましょう。
しっかりと背中に体重を預け、骨盤が前傾する姿勢で座ること。
これを意識するだけで、簡単に問題が解決すること場合がほとんどです。
サイズ選びには可能な限り時間をかける
初めてアーロンチェアを購入しようと考えている人は、サイズ選びに時間をかけてください。
試座できる環境が近くにあるなら、必ず一度は足を運びましょう。
特にハーマンミラーストアや庄文堂ネクストのような正規代理店がベスト。
展示品も多くフィッティングアドバイザーもいるので、理想のアーロンチェアを見つけるのにもってこいです。
どうしても試座ができない環境なら、アーロンチェアサイズの選び方を熟読しておきましょう。
価格だけでモデルを選ばない
多くの人がやりがちな、価格だけでモデルを決めてしまう失敗。
試座やアドバイスを受けたうえで、機能を削ったモデルを購入するのは問題ありません。
しかし価格を基準に廉価モデルを選択して、合わなかったというのは本末転倒です。
自分がどういったシーンでアーロンチェアを利用するのか、しっかりと考え必要なモデルを選定しましょう。
快適なデスクワークを求めるなら、予算オーバーでも良いモデルを選ぶと幸せになれます。
少しでも良いモデルを安く手に入れたいなら、アーロンチェアを安く買う方法を参考にしてください。
アーロンチェアの選び方、正しい座り方さえわかれば、デスクワークライフは疲れ知らずになることでしょう。
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